「お前は300万だな」
“協力”というのは、ハイセルが発行した社債の購入だ。額面は10万円、100万円、500万円の3種類。いずれも12%という高い利率をうたっていた。
「それが俺の3度目の海外遠征の直前くらいで、アメリカに行く前に銀行に寄って300万円振り込んだんだよ。金額は、永源(遙)さんから『俺は500万円出したから、お前は300万円だな』って言われたので、わかりましたってことでね。俺がハイセルに出したのはそれだけで、他に現金とか、スポンサー筋の別荘の会員権とか磁気マットを買えみたいな話は回ってこなかったな」
こうした集金は「新間金策」と揶揄された新間寿が率先して行っていたという。
他にも、1試合ごとのファイトマネーから数万円ずつ天引きすることもあったとされる。
「俺は天引きはされなかったね。でも、その頃から新間さんは苦手だったな。俺をこの世界に引っ張ってきてくれた恩人ではあるんだけど、俺はインチキは苦手なんだよ。プロレスだから、それは業界としてカラクリがあって、いろいろ誤魔化すというのはわかる。ただ、そのスピリットまでインチキはダメ。
新間さんは、ただでさえお金まわりが怪しかったもんね。ゴールドコレクターで金の現物をたくさん買ってたし、先物取引もやってたから。この社債だってね、普通はこういう形で運用しましたとか、利率はこう還元しましたという報告なり文書が来るもんでしょ。そんなのいっさいなかったから。ちなみに俺の300万円はいまだに戻ってきてないよ」