映画『国宝』『怪物』で耳目を集め、飛ぶ鳥を落とす勢いの俳優・黒川想矢。日韓合作映画『3ミリの恋』で、海外との合作に初挑戦した。
重要なのは言葉ではなく、関係性だった
「海外の作品に出てみたいと思っていたので、韓国の釜山でも撮影をするという点に魅力を感じました。脚本も担当されたチョン・ジニュン監督は空気感を大事にされる方で、演技しやすかったです」
黒川演じるタツヒコは佐賀県の港町・唐津で暮らす高校生。ユンスル役のキム・ジアンが釜山からの留学生を演じている。
「相手を好きなのか、好きじゃないのかがわからなくて、でも気にはなるから、恥ずかしくて目を合わせられない―そんなグラデーションを監督と綿密に話し合って演じたので迷いはなかったです」
きらきら輝く夏の海を背景に繰り広げられる“ラブストーリー”。撮影時、黒川は15歳、キムは16歳だった。
「韓国では目上の女性に“ヌナ”という言葉を使うらしく、僕は彼女を“ジアンヌナ”と呼んでいました。お互いの国の言葉を話せないので、最初に台本を読んだ時、気持ちのキャッチボールができないんじゃないかと思って少し心配だったんです。例えば、僕が野球ボールを投げたとしたら、バレーボールが返ってくるような違和感というか。でも、撮影が始まると、重要なのは言葉ではなく、関係性だということがよくわかりました。言葉は通じなくても気持ちは伝わるし、演技はできる。それを知ることができて、僕は嬉しかったです」
作品中ではタツヒコとユンスルが唐津と釜山の美しい観光名所を次々と巡っていく。
「関係性が作品の空気感や間にすごく表れると思っているので、唐津ロケでは同級生役の二人も含めて役と同じように仲良くしていました。新鮮な呼子イカを食べに行ったり、夜一緒にコンビニに行ったり。撮影休日には花火を観に行ったりも」



