武部新農水相(56)の政治団体が、総額3000万円を超える虚偽記載をしていたことが「週刊文春」の取材で分かった。政治資金規正法違反の疑いがある。
「週刊文春」は武部農水相を巡り、2024年衆院選の違法寄付疑惑やフリーカメラマンに86万円を支払った運動員買収問題など、これまでに4つの違法疑惑を報じてきた。
今回新たに発覚したのは、2014年と2017年の衆院選における問題だ。「週刊文春」は10月29日発売号で、この2つの選挙で3000万円の裏金作りが行われた疑惑を報じている。
裏金否定も…新たな疑惑が浮上
これについて、記者団の囲み取材に対して、「いわゆる裏金というものは存在しません」と断言した武部氏。だが今回、武部氏の収支報告書を精査すると、新たな疑惑が浮かび上がってきた。
武部氏が北海道選管に提出した2014年と2017年の選挙運動費用収支報告書によれば、選挙資金の原資として、武部氏が代表を務める政治団体「自由民主党北海道第十二選挙区支部」から寄付を受けている。2014年は計1500万円、2017年は計1527万4207円で、総額3000万円を超える。寄付を受けたのは、いずれも武部氏個人である。
ところが、第十二選挙区支部の政治資金収支報告書を確認すると、2014年と2017年ともに武部氏個人に対する寄付は一切記載されていないのだ。
政治資金規正法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が語る。
「政治資金規正法違反の虚偽記入罪に当たります。これほど巨額の寄付が計上されていないということは、武部氏は政治資金や選挙資金を極めて杜撰に処理していたことが窺われます」
「訂正することはできない」
武部氏の事務所に質問状を送ると、「本来、武部新への寄附と記載すべきところ、誤りがあったものです」と虚偽記載を認めたうえで、こう回答した。
「当時の事務担当者は他界しており、また、選挙管理委員会での保存期間も経過していることから、訂正があったかどうかの確認はできません。ご指摘の政治資金報告書の訂正について選挙管理委員会に相談しましたが、これらについては保存期間の経過により既に廃棄されているため、訂正することはできないとのことでした」
だが、前出の上脇氏はこう指摘する。
「これだけ巨額の虚偽記載があったわけですから、金融機関の口座記録や会計帳簿など客観的な資料を示して説明してもらわなければ裏金作りの疑いは拭えません」
これで5つ目となった疑惑。武部氏には真摯な説明責任が求められる。




