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鎌ケ谷の青春群像劇

 手品みたいというのはそこのところだ。根尾昂を外して、あぁ、ダメかで終わるところが、さにあらず、いつの間にかその中日以上に注目されている。話題性をつくるのが上手いというか、やることが徹底してるというか。日ハムの面目躍如。このドラフトは夢がある。ある意味、清宮フィーバーの去年に匹敵する。

 僕は甲子園組に田宮裕涼を加えた高卒ルーキーたちが「鎌ケ谷の青春」を過ごすのを楽しみにしている。彼らはいつか1軍で「18年ドラフト組」と呼ばれるだろう。それは青春群像劇なのだ。第1世代は(同期だけじゃないが)ヒチョリ、サネ、賢介、信二、鶴ちゃんがいた。みんな壁にぶつかって、はね返されてはまた挑戦した。翔にはダイカンがいた。卓には拳士がいた。大谷翔平みたいに圧倒的に1人だった選手は珍しい。個性が火花を散らし、競い合うことで成長していく。1人が上に呼ばれたときの、残されたほうの顔は面白いよ。ワカゾーだから正直に顔に出る。もうね、グツグツ煮えたぎるんだ。あれが青春。

 だから、吉田輝星の役割はとびきり重要だね。彼は同期の目標にならなきゃなぁ。いつか大輪の花を咲かせて、ロッテの藤原と勝負しなきゃダメだし、セの根尾、小園とも交流戦やシリーズでやり合わなきゃならない。それはみんなが見たいだろう。まぁ、まずはじっくり土台づくりだ。ファイターズの2軍監督は、元祖甲子園のアイドル・荒木大輔さんだ。いちばん何が必要かわかってる人だ。

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 ファイターズはこの際、「熱闘甲子園見すぎ」「ミーハードラフト」で結構。楽しみで楽しみで眠れないよ。野球で夢を見よう。野球をみんなの話題にしよう。じゃんじゃん新しいファンを呼び込もう。甲子園の物語はまだ終わらない。

第100回高校野球選手権大会中の号外

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