発作が始まってからの飲酒は禁忌
「飲む」という意味では、コーヒーなどに含まれるカフェインには、頭痛を和らげる作用がある。薬がない時にはコーヒーやココア、お茶、チョコレートなど、カフェインが入っているものを口にするといい。
ちなみに日頃から心がけて摂取しておきたい成分としてはビタミンB2とマグネシウムがある。頭痛持ちの人は普段から、レバーやウナギ、玄米、アーモンドなどでビタミンB2を、納豆や油揚げなどでマグネシウムを、積極的に食べておくといいだろう。
一方で避けておきたいのがアルコールだ。
「アルコールは総じて血管拡張作用がありますが、片頭痛に関しては赤ワインが最も発作を起こしやすいと言われています。発作が始まってからの飲酒は禁忌ですが、頭痛持ちの人が普段飲むなら、ウイスキーなどのほうがいいでしょう」(菅原医師)
“寝てしまう”のも痛みを抑えるという意味では効果的
他にも片頭痛対策はある。
「体を温めると血管が開いて痛みを増長してしまいます。症状が出ている間はなるべく入浴を避け、入るにしても浴槽には浸からずにシャワーで済ませるべき。また、“寝てしまう”のも痛みを抑えるという意味では効果的な対策です。ただ、睡眠の取り過ぎも頭痛の温床になるので、寝すぎには気を付けてください」
同じ「頭痛」でも、片頭痛と緊張型頭痛とでは薬の種類が異なる。片頭痛の発作に緊張型頭痛の薬(筋弛緩剤)を使っても効果はない。
しかし、市販の鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェンなど)は、トリプタン製剤ほどではないものの、一定の効果はある。ドラッグストアで売っているこれらの薬を使って、今起きている発作だけはやり過ごし、痛みが引いたら医療機関を受診する――という手もなくはない。
「時が経てば必ず治まります」
安静にしていたとしても、頭痛に耐えながら時を過ごすのは不安なものだ。
しかし、菅原医師は言う。
「片頭痛の発作は、時が経てば必ず治まります。短くて20~30分。長くても3時間程度の辛抱です。“終わりがある”と考えられれば、精神的に落ち着くことができ、痛みの軽減にもつながります。そもそも片頭痛で命を落とすことはありません」
片頭痛の発症要因の中には「ストレス」もある。
つらいのはよくわかりますが、慌てないこと、不安がらないことが、片頭痛対策のベースにある――ということだけでも、頭の片隅に置いておいてください。