池上彰さんの連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!

【文春砲・ぶんしゅんほう】

 木曜日に放たれる砲弾。これを食らうと政治家は立ち上がれなくなる。

【池上さんの解説】

 週刊文春は通常、木曜日に発売されるので、「木曜日に放たれる」と表現されます。水曜夜には、「明日、文春にこんな記事が出るらしい」という噂が政界を駆け巡りますが。

「これを食らうと立ち上がれなくなる」と書きましたが、最近の片山さつき大臣に関する記事をめぐっては、片山議員が文春を提訴。訴訟になっていることを理由に記者や野党議員の質問に答えないという不思議な対応をして、「立ち上がれなくなる」気配はありません。「悪魔の辞典」では、「片山さつき議員を除き」という注釈をつける必要があるかもしれませんね。

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片山さつき氏 ©文藝春秋

 週刊文春が政治家のスキャンダルなどを報じますと、テレビや新聞が後追いをしますが、その際、「一部週刊誌によると」と書くケースがあります。「一部週刊誌という名前の週刊誌があるのか」と突っ込まれ、最近は「週刊文春によると」と明記することも増えてきましたが、まだ散見されます。

 これでは「一部週刊誌砲」になってしまいます。

池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!

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