Q 安倍内閣の新閣僚、知らない人ばかりです。

 自民党総裁選後、第4次安倍内閣が発足しました。麻生太郎財務相や菅義偉官房長官などは留任でしたが、 新聞で新閣僚の顔ぶれを見ても知らない人ばかりです。どういう人選なのでしょうか?(20代・女性・会社員)

A 自民党の衆議院の国会議員の中には「当選5回から6回で適齢期」という発想があります。

 安倍内閣の新閣僚の顔ぶれのことを「見飽きた顔と見知らぬ顔」と評した人がいます。安倍首相自らは「全員野球内閣」と称しています。「全員野球」という意味不明のキャッチフレーズをつけたこと自体、どんな内閣で何をしようとしているのか不明確であることを認めたようなものです。

 自民党の衆議院の国会議員の中には「当選5回から6回で適齢期」という発想があります。衆議院選挙を5回も当選していれば、党内では大ベテラン。重要なポストについて当然だと考える議員たちが大勢いるのです。

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 与党の国会議員の場合、初めて当選すると、「いずれ総理大臣になりたい。それが無理なら、せめて大臣に」と思うものです。政治の世界に足を踏み入れようとする以上、「自分の思い描く世の中にしたい」という思いがあるのは当然のことだからです。そのためには、総理大臣になる必要がありますが、ハードルは高いですね。でも、当選回数を重ねていれば大臣にはなれるのではないかと思うようになるのです。

新閣僚の記念撮影 ©getty

 安倍内閣が長期化するにつれ、“適齢期”の国会議員が増えていますが、内閣改造は頻繁にあるわけではありません。その結果、入閣期待組が100人以上に上っています。待機させられている議員たちの不満は高まります。長期政権を維持するためには党内の不満を押さえる必要があります。その結果、「見知らぬ人」が大挙して入ったのです。

 中には、過去に失言で大きな問題になった人や、国会質疑できちんと答弁できるか能力を疑問視されている人もいます。今後、失言や答弁で立ち往生などということになれば、そんな人を大臣にした総理の責任が問われます。

 長期政権目指して党内融和をはかった結果、国民の批判を受けるという構図になる可能性もあるのです。

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