おにぎりを「とろろ汁」に
人気メニューは、「天玉そば」(450円)、「えび天玉そば」(600円)、「冷やし天玉そば」(470円)、銀座店で誕生し、10人に1人は注文するという「冷やしまかないそば」(550円)などである。また、「おにぎり」(100円)はツナ味で、魚沼産コシヒカリを使いもちっとした食感である。
ある時、「冷やしとろろそば、温玉入り」(520円)を注文し、そばを食べ終わったところで、「おにぎり」をとろろのつゆに投入し「とろろ汁」で食べたのだがこれが絶品だった。こういう変化球が楽しめるのも大衆そばの醍醐味だと思う。
「かき揚げ天ぬき」で日本酒を楽しむ
そして、夕方になると、「かめや銀座店」は夜の姿を現し始める。
近隣のクラブやスナックのサポートスタッフ、いわゆる黒服さん達や納品に来た業者の人、近隣のお店の関係者などが少しずつ入店して来る。中にはそうした店の常連さんだろうか、かき揚げ天をつゆに入れた麺のない「かき揚げ天ぬき」(200円)、すった山芋をつゆに泳がせた「わさびいも」(300円)などをアテに、日本酒でそば前を楽しんでいる紳士もいる。「かめや」でビールや日本酒を置いているのは銀座店だけだそうだ。夕方から呑めるという。
そして……仕事上がりのホステスさんの世界
深夜0時を過ぎる頃になると、仕事上がりのホステスさん達やスタッフの人達が、三々五々入店し、そばを食べながら情報交換などをしているそうだ。閉店する深夜4時頃まで続くオトナの「かめや」の世界である。
社長の荒川雄行(かつゆき)さんによれば、深夜にちょっと食べたりできる店は、近くの牛ヒレステーキサンドで有名な「みやざわ」や「かめや銀座店」くらいしかないのだという。「ウチはアフターで来ることはあまりないだろうし、裏方さんも息抜きしやすいんじゃないのかな」ということだった。
深夜の大衆そば屋に集うオトナの世界の光景に、なぜか激しく憧れを感じてしまうわけである。
INFORMATION
そば処かめや銀座店
東京都中央区銀座8-5-22 銀座HYビル1F
営業時間 月~金 7:30〜翌4:00
土 10:00~15:00
定休日 日・祝