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清少納言や小野小町に強く共感

 百通りの歌を再解釈していくなかで、気持ちが通じ合いそうな詠み手はいただろうか。

 

「清少納言は歌を読むだけで『強いな、この人は』と感じ取れて、すごく仲良くなれる気がしましたよ(笑)。小野小町の歌には、普遍的な思いが描き出されていて、いつの時代もこれに共感する女性は多いだろうと改めて思いました」

 小野小町の歌といえば、

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「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」

 である。千年の時を軽々と超えて、気持ちが通じ合いわかり合えるとは、思えばすごいこと。そんな愛され続ける古典と、それをみごと甦らせる感性が出合った成果を、千年前の声まで聞こえてきそうな静謐な寺院内で観られるとは、なんとも至福である。

 会場では最果タヒの現代語訳詩を女優・南果歩が朗読した音声も朗々と流れる。見どころ多き晩秋の京都だが、他を措いてもこの展示へ足を向けたいところだ。