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2018年のトライアウト 一球にかける選手とファンの思いとは

文春野球コラム ウィンターリーグ2018

2018/11/30
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「進路調査結果」の気になる数字

トライアウトを終了し、ファンに挨拶する参加者たち 提供/HISATO

 トライアウト後にNPBに残れる選手は数えるほど。目安という1週間を経て、中井大介がDeNAに決まり、西武が廖を獲得予定と報道された。巨人は2選手にテストを行い、山下亜文の獲得を発表した。BCL、社会人への挑戦も聞こえる。引退の報道も少しずつ届く。様々な事情の中、様々な進路をそれぞれが決断していく。

 同時に、覚悟を決めてトライアウトに臨んだファンにとっても、この後は別の覚悟が必要になる。応援する選手の退団後も同じユニフォームを着続けるのか、別のユニフォームを着るのか。ユニフォームを脱ぐのか。ファンにとっても苦しい闘いだ。それでも、どこかのチームに決まるならいい。または別の道を選んだと報じられたなら。そこでファンの「戦力外」にもひと区切りがつく。

 何故か5月という時期にNPBが発表する数字がある。「戦力外選手/現役引退選手の進路調査結果」(2017年については2018/5/8発表)。球団別に見ると、「1 1 3 1 2 1 2」と進路毎に数字だけが並ぶ。ファンが見れば「これは中島、これは飯原……」と名前が思い浮かぶだろう。

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 一番下には「不明・未定」の欄。既に報道されている場合もあるが、杳として知れない事もある。この数字がある限り、安らぐことのないファンがいる。事情は様々あるのだろうが、一人ひとりの選手の選択が、その選手のファンに伝わることを願って止まない。新しいスタートを、新しい気持ちで共に迎えられることを。2019年の調査で「不明・未定」が「0」であるのを見たならば、その時ほんとうに2018シーズンが終わるのだ。

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