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ゴーン氏が逮捕前に語っていた「2022年のルノーと日産と私」

「フランス政府の要求」と「おいしい地位への執着」――その幻の計画とは

2018/12/04
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2022年まではアライアンスのトップを務めますが……

――ゴーンさんのルノーCEOの任期は2022年までですが、それまでに人に依存しない新しい組織はできますか?

ゴーン そうしたいと思っています。まだ時間はあります。妥当な合理的な期間だと思います。22年までに最終的に解決策を見出す、それによってみんな快適に感じられる、安心を持てるというようなものはできると思います。

――分かりました。ゴーンさんは今64歳です。経営者を辞めた後のことは考えていますか。

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ゴーン ご存知のように、私は日産と三菱の会長、そしてルノーCEOですが、最も重要な役割は、三社アライアンスの会長兼CEOであるということです。日産は西川(廣人社長)さんにやってもらい、三菱は益子(修CEO)さんに統括してもらっている。そして、ルノーではCOOを任命しました。ティエリー・ボロレです。私もサポートしています。

 私は、3社がうまく連携をして、ちゃんと機能統合をさせて、そして前進させるアライアンスの仕事に注力しています。2022年まではアライアンスのトップを務めますが、他の仕事は替わるかもしれない。

ゴーン体制で復活した日産GT-R(左)とフェアレディZ(右) ©iStock.com

私は役に立つ限り奉仕し続けます

――リタイアした後の人生の目標はありますか。「日本は私のアイデンティティの一部だ」と言われていますが、日本ともずっとかかわっていこうと思っていますか。

ゴーン もちろんそうしたいと思っています。まず、私の任期が2022年までと申し上げましたが、だからといってリタイアするという意味ではないかもしれないですよ。任期は2022年までですね、ということだけです。

 日本に住んでもう19年ぐらいになりますでしょうか。私がリタイアするのはいつか分かりませんが、その時でも私はやはり日本とかかわり合っていきたいと思っています。今までとは違う側面で。日本には思い出もあるし、友達もたくさん居ます。私は人生の大きな部分をここで過ごしました。幼い時に日本で過ごした子どもたちはよく今でも日本に来ています。日本の文化との間に絆があります。日本はまさに私の人生の一部です。

――ということは、2022年以降もアライアンスのトップをやっている可能性はありますか。

ゴーン ちょっとまだまだ先のことじゃないですか。生き残っていて健康であったら、それだけでも大きな目標じゃないですか。ただ、私は役に立つ限り奉仕し続けます。アライアンスと各社に奉仕を続けます。ただ、役立つ限りにおいてです。