女性が自分の思い通りにならなかったら機嫌を損ねるおじさん
あとは、連絡先を教えてからやけに馴れ馴れしくなり、たまたま休憩室で2人きりになったときにわざと顔を近づけて内緒話をしようとしたり、体を触ってきたりするようになりました。もっと早くに「しんどいオッサン」だと分かっていれば、頑なに連絡先を教えないこともできたんでしょうけど、「いい上司だ」と思っていたので、そのときは「失敗したなぁ」という気持ちでした。
そして厄介なのが「女性が自分の思い通りにならなかったら機嫌を損ねるおじさん」。これは一定数いて、「連絡先を教えてくれなかった」「飲みに誘ったのに断られた」「体に触ろうとしたら拒否された」とか理由は様々ですが、一方的に根に持って、仕事中にあからさまに不機嫌な態度をとられたり、冷遇されたりすることもあります。女性側からすると「セクハラとパワハラが同時にきた」みたいな感じです。私も経験がありますが、同じような経験をしている女性は意外と多いようで、女性同士の飲み会とかだと「あるあるある!!!」と続々とエピソードが出てくる、なんていうのはよくある光景です。
「仕事中にこういうツラい待遇を受けるくらいなら……」と仕方なく連絡先を教えなければならなかった女性たちに対して「いやいや、まず職場のオッサンに連絡先を教えるのが悪いでしょ」と言うのは、そもそもこういった問題の本質が見えていないように思うんですよね。みんながみんな、教えたくて教えているわけじゃないんですよ。
セクハラとして会社に申告するのも勇気がいる
そしてこういう話をすると、今度は「会社のセクハラ窓口に相談すべき」という声も出てくるんでしょうけど、「セクハラを受けている」と会社に申告して大ごとにするのも女性にとって勇気がいることですし、会社側が相応の措置を取ってくれる保証もありません。万が一に男性が降格処分などになった場合、恨まれる可能性もあるし……とか考えると、やっぱりこの問題って根深い。
私の場合は仕事に関係のない連絡は無視したり、相手に「不快なのでやめてほしい」という態度で接したため大ごとにはなりませんでしたが、すべての女性にその対応を求めることはできないでしょう。こうした「水面下」で起きていることに対して、会社や当事者が問題意識をもっと持ってくれればいいんですけどね……。