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いちいち気になるスポニチの「おじさん」的解説
さて発表翌日のスポーツ紙はどう伝えたか。私が気になったのはスポーツニッポンの解説だ。
「パワハラワード蹴散らしポジティブ平成世代が締めた」(12月4日)
ボクシングの「奈良判定」など今年はパワハラが取りざたされた一年だった、と記事は書く。強烈な言葉が多かったと。
《そんな“パワハラワード”を蹴散らしたカーリング五輪出場メンバーは、1991〜93年生まれの“ゆとり世代”。学習量や授業時間を削減した“ゆとり教育”を受けた若者たちで、「個人主義」「受け身」と揶揄(やゆ)されることもある。》
いちいち気になる解説である。
パワハラワードを「蹴散らした」のは選んだおじさんであってカーリング女子ではない。あと、ゆとり教育を受けた若者たちが「個人主義」「受け身」と揶揄されると書いているが、揶揄してきたのは上の世代だろう。
おじさんによる、おじさんのための解説
しかし記事は続く。
《それをはねのけての大賞。》
それをはねのけて選んだのはおじさんです。パワハラワードや#MeTooより「そだねー」を選んだのはおじさんたち。
《選考委員会は「マイペースで仲間を尊重し合いながらスペシャルな結果を出す、平成世代の実力を見せつけた」と解説。ゆとり世代発信の言葉が平成を締めくくるという、象徴的な結果となった。 》
ゆとり世代、ゆとり世代と言われる側にしてみれば「そういう教育を導入したのはお前らだろ」となるはず。
しかし「ゆとり世代発信の言葉が平成を締めくくる」と満足そうに解説を締めくくる。まさにおじさんによるおじさんのための解説である。私もおじさんだからこういう事例を見たら学ばなくてはいけない。読んでてドキドキした。