今シーズン限りで現役を引退した千葉ロッテマリーンズの福浦和也です。まず最初に9月23日にZOZOマリンスタジアムで盛大な引退試合を執り行っていただきまして本当にありがとうございました。幸せな野球人生だとつくづく思える1日となりました。

引退セレモニーでの福浦和也 ©時事通信社

引退試合の打席で決めていたこと

 引退試合では井口資仁監督のご配慮で、7番DHで出場をさせていただきました。頂いた打席で実は自分の中で決めていたことがありました。初球は振らないということでした。なぜかというとファンの皆様の応援を楽しみたいと思っていたからです。これまで26年間、自分を支えてくれたファンの皆様の声を打席でしっかりと味わいと思いました。地鳴りのような応援、本当に凄いものでした。これがあったから自分はここまで来れたのだと改めて実感をしました。

 ヒットこそ出ませんでしたが最終回の守備でファーストを守らせていただき3アウト目の打球がライナーで自分のところへと飛んできて自分のミットに収まりました。最後は体が勝手に反応をしてとることが出来ました。試合前の円陣で後輩たちに「ぜひウニングボールをプレゼントしてください」とお願いをしましたが、まさか自分でウイニングボールを掴むことになるとは思ってもいませんでした。マウンドの益田直也投手、そして田村龍弘捕手が自分のところに打たせようとリードに工夫を凝らしてくれていたのが伝わってきていたので、本当にありがたかったです。最高の思い出となりました。ボールもそのまま頂きました。

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 周囲から一番、心配視されていた試合後セレモニーのスピーチですが、その前にライトスタンドの前で拡声器を使って行った千葉ロッテマリーンズ名物の「WE ARE」のコールで噛んでしまったこともあり、その反省を生かし、ゆっくりと話すことが出来ました。一部、目をつぶりながらスピーチをしていたことから泣いていたのではないか、または話をすることを思い出しているのではないかと言われましたが、そうではなくこの日の風が強すぎてちょうど向かい風となり目に入ってきたため、目をつぶらざるを得なかったのが真相です。

 自分の中では本当は話をしたかった色々な事が抜け落ちてしまっているような気もしましたが、とにかく伝えたかったのは皆様への感謝の気持ちです。ドラフト最下位指名から26年。こんなに幸せな野球人生を過ごせたのはファンの皆様をはじめ周囲の皆様の支えがあったからです。だから感謝しかありません。