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国内FA権取得の中島卓也選手 決断を待つ間に私たちができること

文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019

2019/10/14
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人の心配事の8割はまだ起きていないことだから……

 高卒11年目。中島選手は今年のシーズン途中に出場登録日数が8年を超えて初めて国内FA権を取得した。同期の杉谷選手も取得していて、彼は早々に残留をチームに伝える。10月11日には記者会見も開いて、マスコミにも「これから長いお付き合いになるので宜しくお願いします」と挨拶。単年契約といってもほぼ生涯ファイターズ宣言のような会見だった。もちろん晴れやかな笑顔で。

 一方、その何日か前の札幌の練習場。シーズン終了後の休み明けの中島選手の姿があった。問われるのは当然FAについて。「残りたい気持ちの方が強い。ただ他球団の話を聞きたいというのもある。全部含めて相当悩むと思います」と答えた。このコメントを受けて私の担当するラジオ番組にはたくさんのメールが届いた。私も生放送でメールを紹介しながらいろいろな思いを巡らせた。

 残ってほしい、それが本音。中島選手の納得の場所を探してほしい、それも本音。それがファイターズであってくれたらいいのに、これは相当の本音。そして、まだまだずっとずっとずっと中島選手には輝いていてほしい、これが一番の本音。

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 FAを宣言する選手が動き出すのは日本シリーズが終わった後。まだ時間はあるし、チームも残留要請の意向と聞く。それとは別に他球団が中島選手を調査、そんな報道ももちろん聴こえてくる。

「人の心配事の8割はまだ起きていないことらしいです、だから今は過剰な心配をするのはやめましょうね」

 これは私のFA選手の話題の時の番組内での常套句。今夜もこの言葉で「いい子」になる。

「いい子」にしてたら、どんな「いいこと」あるかな。

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