自然豊かな“南の島”として人気の高い沖縄には、もう一つ大きな特徴があります。それは広大な米軍基地がある、という点です。

 ここまで、沖縄に存在する“特殊な事故物件”についてお話ししてきましたが、今回はさらに沖縄独自のもの――すなわち、米軍基地にまつわる事故物件をご紹介しましょう。(全2回の2回目/前編から続く

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刃物で首を切られ、殺された30代の男

 これまでの連載で私が紹介してきた物件は、被害者や加害者といった違いはあれ、多かれ少なかれ日本人が“事件の当事者”になっている事故物件でした。しかし、次に紹介する物件は、登場人物が全員外国人です。

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 場所は本島中部、観光地としても有名な地区にある4階建てのマンション。歩いて数分のところに米軍基地がある物件です。10年ほど前、そのマンションの一室で刺殺体が発見されました。刃物で首を切られていたのは30代の男性。その部屋に住む米兵(空軍所属)でした。

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 米軍基地に勤めるアメリカ人の中には、彼のように基地の外にマンションやアパートを借りて、生活する人も少なくありません。米軍関係者が全員、基地の中に住んでいるわけではないのです。

米軍の憲兵が遺体を発見

 さて、その男性の遺体を発見したのは、米軍の憲兵でした。一般に軍警察とも呼ばれる職種で、軍内の秩序を保つことを仕事とする人々です。時間になっても出勤してこない男性を不審に思い、憲兵が様子を見に行ったところ遺体を発見した――といった経緯でしょうか。