「PL学園野球部の3年間を耐えた経験が活きている」
――料理の修行も大変だったでしょう?
「そうですね、修行はきつかったですけど、幸い僕はPL学園野球部の3年間を耐えた経験が活きているというか、あの時間は今後も色んな壁に当たった時に役立ちそうです(笑)。PLって当時本当に厳しかったし、死ぬほどきつかったんですよ。高校野球の経験は確実に活きているなぁと思います」
そうハニカミながら話す小斉さんが今でも野球人だと言うことを感じさせてくれた一幕だった。
バットを包丁に持ち替えて見事に切り盛りする姿は第二の人生真っ只中の料理人だが、今では料理の話の方がスラスラできるようだ。
名物メニューの“たん塩 石焼き”が運ばれてきた時の肉の美しさには驚いたが、小斉さんによる肉の説明と食べ方の案内も素晴らしかった。表を5秒、裏返して3秒焼いたら食べ頃だと言われるがままに口にすると驚愕の美味さ! 筆者が食べる姿を嬉しそうに調理場から見守る小斉さんはもはや大将でしかない!
もしも『牛たん甲子園』があるとしたら、春夏連覇出来る美味さだと思う。
「僕が凄いんじゃなくて、国産和牛が凄いんですよ」と、小斉さんは謙虚に語るが、他にも一品料理がいくつもあるので、育成の星が厨房の星になった姿を目撃しに行って欲しい。
その料理に合うお酒も大将が提案してくれる距離感も魅力だ!
ちなみに野球の話は振られない限りしないタイプの大将だが、今でも古巣のホークス情報はしっかりチェックしてくれていることが嬉しかった。
元ホークス戦士の新たなる挑戦は美食の街で始まったばかりだ!
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