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山田哲人“国内FA権獲得”で思う「もし他球団に移籍したら彼を素直に“応燕”できるのだろうか?」

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/09/10
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山田の発言は何を意味するものなのか?

 前述したように、シーズン中盤を過ぎたばかりにもかかわらず、山田の去就に関する記事はこれからもどんどん増え続けていくことだろう。端的に言ってしまえば、僕が今書いているこのコラムもまたその一つにすぎない。でも、外野からの余計な雑音をとことんシャットアウトして、今はただ目の前の白球に集中してほしい。

 国内FA権を獲得したことを報じる日刊スポーツ(20年9月4日付)には、こんな一節があった。

“プロ10年目を迎え「ヤクルトにドラフトされて本当に良かったと思います。環境だったり、人と人との縁だったり、自分は恵まれていると思います」とコメントした。”

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 山田のこの発言は、どんな意味を持つものなのか? 何も他意のない純粋な思いを述べただけのものなのか、それとも「ファンのみなさん、安心してください。今はまだ公言できないけど、僕の心は決まっています。えぇ、もちろん生涯ヤクルトです!」という全61文字の熱き思いを意味するものなのか? 考えても答えが出る問いではないとわかりつつ、僕は何度もこの一文を心の中で反芻し、煩悶を繰り返す。

 ……そんなことより、今日も試合だ。広島先発・森下暢仁相手に、山田はどんなバッティングを見せてくれるのだろう? 僕らはただ応援するだけだ。来年も再来年も、背番号《1》の正統継承者として、山田哲人を応援し続けるだけだ。3年契約最終年となる青木、国内FA権を獲得した山田。心配の種は尽きない。心の中の菅官房長官は「ご心配には当たらない」と木で鼻をくくったように答えてくれるだろうか? いやいや、余計なことなど考えず、僕らは今日も黙って応援するだけだ、コロナ禍だけに。

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