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財閥の後継者を巡る「愛の不時着」のような骨肉の争い

 2014年に事件を起こした姫は、その際、父のチョ・ヤンホ氏から大韓航空副社長の座を解かれた。しかし2018年3月下旬にグループ関連のホテルの経営陣として復帰。ところが1ヶ月もしないうちに実妹の”水かけ姫”が不祥事を起こしてしまう。経営トップにあった父が、経営一族への厳しい目を気にしたこともあり、姉妹を再び経営陣から外した。

 その父が2019年4月に死去後、復権を狙ったが……。

「自分を経営陣に入れない弟と対立しているんですよ。『姉弟で力を合わせて経営を行う』という父の遺言に従っていないと……」(同前)

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 財閥の姉弟の後継者を巡る骨肉の争い。まるで韓流ドラマ「愛の不時着」の世界だ。

大韓航空 ©iStock.com

「2019年12月25日、弟のウォンテ氏が”事件”を起こします。この2日前に姉である姫が弁護士を通じ『家族との事前合意なしに経営上の重要事項が決定されている』と発言。これに母が味方をした。すると、ウォンテ氏がクリスマス(韓国では祝日)に母の家を訪れ大口論に。キレてリビングの花瓶を割ったと『国民日報』が報じました。現場にはウォンテ氏の妻や水かけ姫もいたといいますから、まさにどこかで見た韓流ドラマですよ。会社側は『争いはあったようだが、個人の話なので介入しない』と見事にスルーでしたが」(韓国一般紙の元デスク)

復讐のために株を取得……こちらはまるで「梨泰院クラス」の世界

 姉は姉で、今回の統合話が持ち上がる前からある逆襲に出ていた。

“同じく弟に反対するファンドなどと連合を組み、大韓航空(正式には韓進KAL)の株をコツコツと買い占める”

 いわば「チョ・ヒョナ連合」の結成だ。これにより、社内での発言権の強化を狙う。復讐のために株取得に動くとは……こちらはまるで韓流ドラマ「梨泰院クラス」の世界。

「涙ぐましい努力と莫大な資金投入の結果、今年4月19日に”チョ・ヒョナ連合”の合計の持ち株率が42.75%となり、”弟側”の41.14%を上回りました。さらに8月には46.71%にまでなり……」(同前)