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「奥川との星稜高校バッテリーを見たい」内山壮への熱いファンの声

 まず、2年目・19歳の内山壮真。オープン戦17試合中すべての試合に出場し、打率.273、1本塁打、打点はチーム2位。キャッチャーばかりでなくショートでも出場するなど目立っていましたね。実は開幕用のYouTubeのため、ファンの方々に「期待する選手」を聞いても上位。とくに「奥川との星稜高校バッテリーを見たい」という意見が多くありました。

 身長171cmと体は大きくないけど、フルスイングできるのがすごい。プロに入って2年目、19歳であのマン振り。キャンプでも惚れ惚れするような打球をスタンドにポンポン入れていました。守備でも、古田敦也臨時コーチにいろいろ聞きたいと公言し、そしてキャンプでは臆することなくその古田さんから指導を受けていました。

 奥川と同じ高校の先輩後輩でバッテリーを、一軍で組めたらこんなにプロ野球として夢のあることはない。ファンの方々の夢を背負ってプレーできるなんて、プロ野球選手冥利に尽きますよね。

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内山壮真

フルスイング&3ポジションを守れる長岡秀樹

 そして、同じくオープン戦全試合に出場した3年目・20歳の長岡秀樹。打率は.239ながら、安打数は13本でトップの塩見に続く11本、打点も内山と並んでチーム2位。守備でも、ショート、セカンド、サードにつき守備率.981。長岡も持ち味はフルスイングです。プロ3年目で、コンタクトバッティングばかり考えていた僕からすると、若い選手たちのフルスイングは本当に羨ましく、魅力に映ります。

捲土重来、規格外の長距離砲・濱田太貴

 フルスイングといえば、4年目・21歳の濱田太貴。去年もここで「期待する選手」として挙げたのに、開幕を待たずに故障で……。なにやってんだよ! と正直思ったけど、ライトに引っ張ったような打球を打てるパワーと技術は規格外。オープン戦では打率.379と確実性も増してきました。「三輪さんのふるさと、山口は四国ですか?」と隣県の北九州市出身のくせに規格外の質問をすることがある、カワイイ後輩。彼にはもう期待しかありません(笑)。

進むべき道が見えたサイドスロー転向2年目・大下佑馬

 投手では5年目で、サイドスロー転向2年目の大下佑馬。オフは公式アプリの料理企画にも喜んで出てくれ、そこでキャベツを3等分し「サラダ」と言い張り、広島弁とともに強心臓ぶりを余すことなく見せてくれたナイスガイ。キャンプでもサイドスローの名投手で同郷の髙津臣吾監督にいろいろ教わっていましたね。

 大下はプロ野球選手として、ああしよう、こうしようと、ずっと道を模索していた選手です。そして昨年のシーズン途中、サイドスローに転向することで、彼にとってはやることが絞られた。僕も現役の時、自分がプロ野球選手として何をすべきかを模索していた選手でした。僕も、自分が目指す「道」が見えたことで、割り切れ、そして覚悟を決めることができたので、彼の今の気持ちはわかるつもりです。

 オープン戦では3試合、3イニングを投げて防御率0.00。それも無安打無四死球と好リリーフが続いています。髙津監督直伝のシンカーを磨き、そして料理ではないけど、さらに彼なりの味付けができる……盤石なセットアッパー陣に必ずや加わるだろう右腕です。

あの男へは「今さら言う必要なし」

 最後に20年目の坂口智隆。親友なんであえて言う必要ありません。ファンによる「期待する選手」でもっとも名前が挙がったひとり。昨年の日本シリーズでの彼への大声援は印象的でした。必ずや大事な局面でチームを救ってくれることでしょう。

 我々「チームスワローズ」だけが持っている連覇の権利。さぁ、一緒に楽しみましょう!

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