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海を越えても連動性は続くのか

 今年の元日、西川はインスタグラムに3枚の写真を投稿した。富士山頂の写真、野間と西川が二人で並んでいるカラー写真、そして鈴木と西川がグラブタッチをしている後ろ姿のモノクロ写真である。添えられた「今年は大事な年!頑張ります!」という短いコメントには、「鈴木の抜けたカープを、野間とともに守っていかなければならない」という並々ならぬ決意が感じられた。

 離ればなれになることで、同い年の絆は切れてしまうのだろうか。そんな危惧をしていたところ、3月19日のソフトバンクとのオープン戦でホームランを放った西川は、シカゴ・カブス入りが決まった鈴木に対して「あっち(米国)で活躍してくれたら刺激になる」と答えた(「日刊スポーツ」2022年3月20日)。海を越えても二人は良きライバルであり、相手の活躍がお互いの原動力になっていくのだろう。

 その予想通り、開幕してからの西川・鈴木はともに好調で、4月27日時点で鈴木は打率.354・打点13・本塁打4、西川は打率.321・打点15・本塁打2の成績を残している。

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 特筆すべきは4月24日(米時間23日)で、鈴木はパイレーツ戦で第1打席・左安、第2打席・右適安(打点1)、第3打席・三ゴロ、第4打席・右2安の成績を残した。その約10時間後、西川はDeNA戦で第1打席・中安、第2打席・右本(打点1)、第3打席・二ゴロ失、第4打席・左安と、この日に限っては「連動ヒット」が発動したのである。更に鈴木の第2打席でのタイムリーは、大きく外れたボール球を捉えてヒットにしたもので、この映像を見たカープファンの多くは「よく見る龍馬の変態打ち」を思い出していた。

 鈴木が活躍したならば、きっと西川も打ってくれるに違いない。西川が打てば、きっと海の向こうの鈴木にも伝わって励みになるだろう。そんな連動性を信じたい。

近年のカープ限定ユニ ©オギリマサホ

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