思えば守ってばっかりの2年だったのかもしれない
自分の仕事先でコロナが出た時ガツッと脳にきたのは「球場でもらうことばっか考えてた。逆もあるがぁ」の気づき。自分が球場に持ち込んでしまうのも避けないと、と気を引き締めた。球場に行くバス電車、球場までの道、受ける側の想像しかしていなかった。攻めもあったわ。そうでした。生活のなかの攻撃と守備、そのどちらも大切。点入れるばっかり考えてたら勝てない。守らねば。
思えば守ってばっかりの2年だったのかもしれない。
2年間応援の気持ちはちゃんと守れた。菊池のような守備はできたかわからないけど。
野球に表裏攻撃守備があるように応援にもあった。自粛期間は守りの応援だったんだ、たぶん。
守りの時間ってモチベーションを保つのは難しい。球場への行程のわくわく感、香り、熱、感触、声、球音、それらがないまま好きという気持ちをずっと同じテンションで持ち続けることって実はしんどかった。スポーツニュースを観て読んで本を買ってネットで試合速報をリロードして試合の感想を検索して……攻撃に回ってやっと「よく守り切れたなあ」と気づくのだ。控え投手全員出したあとのよう。
現地応援は楽しい、ほんとに。行ったことのない方には強くお勧めしたい攻めの応援。だけど守りの応援だって同じ応援。好きな気持ちには差がない。
応援の気持ちに差をつけないでほしい。自分にもひとの応援にも。
野球には勝ち負けがあって敵味方に分かれるけど敵は悪ではないのだもんね。
勝って嬉しいのはほんと。負けて悔しいもほんと。だけど敵はいてもわるものはいない。ごめんよ、僕には帰る球場があったんだ、こんなに嬉しいことはない。いつでも応援には会えるから(いつものガンダム)。
いま、観戦チケットを3枚財布に入れている。どこの球場に行くのも数年ぶりだ。そのたびに思うんだろうな。この雰囲気!きたー!におい、感触、アナウンス、なにより球音と共にある選手の姿。
「あああ! ゲートかわってる!」
「あああ! 知らないお店ある!」
「あちこち改装しとってじゃ!」
「知らんポケストップできとる!」
今日も応援します。勝ちたいよねえー。
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