みなさん、こんにちは。東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。現在チームは首位を驀進(5月19日現在)しています。4月は主力にケガ人や離脱者が出ましたが、GWを6勝1敗で乗り切り、ついに首位に躍り出ましたね。
連続出場記録目前でつば九郎が無念の“離脱”
離脱者と言えば、相棒でもあり、広報の先輩でもあるつば九郎が、主催ゲーム2000試合連続出場を目前にして新型コロナウイルスの「濃厚接触者疑い」となって欠場。球団にも世間にも衝撃が走りました。
つば九郎が不在の神宮球場は、ファンの皆さんの多くも初めてだったのではないでしょうか。29年間ずっとそこにいた“オス”がいない。選手も勝手がちょっと違ったようでソワソワ。4月23日には青木宣親さんと石川雅規さんの「おじさんコンビ」がお立ち台に上がったのに、そこにつば九郎の姿がないのはなんとも寂しかった。
でも、試合終了直後の「勝利のハイタッチ動画」を撮っていたとき、髙津臣吾監督が僕のところにやってきて「これ回っとんか?」と確認しつつ「つば九郎おらんでも勝つわ!」とおっしゃって、監督なりのつば九郎へのメッセージを撮れたのはよかったですね。
姿を現さずとも、示した存在感
つば九郎の自主隔離期間中に、生配信で「つば九郎リモトーク」を行いました。つば九郎は鳥小屋からチャットで参戦。あの大きな羽でキーボードを押せるのか? ファンの質問に瞬時に反応できるのか? などなど、初の試みに心配の種は尽きなかったのですが、フタを開けてみれば「史上最高の面白さ」。
僕も適度に茶々を入れつつ、つば九郎から当意即妙のひらがなでのチャットが返ってきます。運営スタッフもつば九郎の頭の回転と、タイプの速さに感嘆の声を漏らすのみ。姿は一切現さないのに文字のみで存在感を示したつば九郎に脱帽しました。
背番号「27」のインパクト
離脱者もいれば、帰ってくるものもいる。5月3日の甲子園での阪神タイガース戦。小川泰弘の先発試合でマスクを被ったのは中村悠平。正捕手がついに1軍に戻ってきました、それも「27」という背番号を背負って。あの古田敦也さんが引退された2007年以降、14年間ずっと空き番号だった「27」。僕自身も現役時代「27」を着けた人と一緒にプレーはしていないので、グラウンドで中村をみたとき、その数字のインパクトに思わず「うわぁ」と声が出ました。
僕の1年後に入ってきた7学年下の中村は当時18歳。期待されていた証に、2軍の試合でも最初からマスクを被っていたけど、何度かミスをしてコーチに怒られていたときもあった中村、15年のリーグ優勝、昨年の日本一を経験して、ついにはスワローズの顔である「27」という番号を背負った。「僕、実は、天パなんですよ」と誰もが知っていることを、動画用のカメラを向けると何のてらいもなく言ってくる中村。一緒に苦楽を共にした身としてはこれほど感慨深いことはありません。
その「27」は今シーズンが開幕してから調子の出なかった、同い年で天然パーマの小川泰弘を抜群のリード。ビジター、甲子園での完封勝利、しかも無四球での勝利に導きました。2人揃っての復活劇に、「天パ世代、やるな」と思ったのでした。
中村は打撃のほうでも存在感を示しています。サンタナの穴を埋める5番打者に入り、繋ぎの役割を果たしています。5月17日の阪神タイガース戦では、9回にサヨナラ勝ちのポイントとなる巧打をみせ、チームを劇的な勝利に導きました。
去年、日本一となった大きな要因は中村悠平の活躍だとは自他ともに認めるところでしょう。2015年のリーグ優勝も経験したけど、そこからチームは低迷。96敗というシーズンもあり、中村は責任を感じていました。