僕の“恩人”「ヤクルト1000」
みなさん、こんにちは。東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。
突然ですが、みなさんよく眠れていますか? 巷で「睡眠の質向上やストレス緩和が期待できる」と話題の「ヤクルト1000」がとんでもない売り上げを記録し品不足に。同時に、好調のチームの要因は「『ヤクルト1000』のおかげ」だとか、「品不足で選手たちの今後の成績にも影を落とすのでは?」などと、各方面でいろいろ話題になっているようですが、大丈夫です。選手たちにはしっかり行き渡っています。
今思えば、新型コロナウイルスが蔓延し始めた2020年、まだ身近にあった「ヤクルト1000」を家族で毎日飲んでいました。そのおかげかどうかは定かではないですが、我が家はコロナ感染とは無縁、現在まで元気に過ごしています。さらに思い返してみると、2020年はサラリーマンに転身して最初の年。慣れないデスクワークで悩める僕を熟睡に誘ってくれたのはあの「ヤクルト1000」と言っても過言ではありません。そんな僕の“恩人”の姿が見られなくなって寂しいです。そして、早くみなさんのお手元に届くことも願ってやみません。
4年前はモヤモヤ……「完全優勝」でスッキリ
熟睡と言えば、毎年「眠れぬ日々」を過ごす交流戦。2005年に始まって以来、どちらかと言えば苦手意識があり、ファンの皆さんの胃を痛める成績を収めていた3週間でしたが、今年、わが東京ヤクルトスワローズは4年ぶり2度目の優勝を決めました。
4年前の2018年は最高勝率で“優勝”したのですが、「勝ち越しリーグの最高勝率球団に最高賞金、MVPを贈る」という“謎ルール”のおかげで、我がチームからはMVPが出ず、しかもチームの賞金も2位球団の半額となり、まんじりともせず眠れぬ夜を過ごしたのを覚えています。
しかし、今年は全てのパ・リーグのチームに勝ち越すという「完全優勝」。これはセ・リーグの球団では初の快挙です。球団新記録の9カード連続勝ち越しで、交流戦の優勝を決め、リーグの順位でも2位に7.0ゲーム差(6月16日現在)をつけ首位に立っています。もちろん「ゆだんたいてき、おでんたいやき」なのですが、このまま行くと秋には、去年に引き続き忙しさで目がまわり、広報としてそれこそ熟睡できない日が来るのではないかと、今から“戦々恐々”としています。
救援投手陣の頑張りには頭が下がる
4年前にはチームから選ばれなかったMVPには村上宗隆が輝いたのは大変誇らしいですが、髙津臣吾監督も「交流戦のMVP」とおっしゃっていた通り、5月31日、神宮球場でのロッテ戦以降11試合連続(34回2/3)無失点を記録している救援ピッチャー陣の頑張りには頭が下がります。
去年も活躍した今野龍太、清水昇、マクガフの「勝利の方程式」が盤石なのには不思議はありませんが、それに加えて、18年交流戦優秀選手の石山泰稚、去年先発から転向した田口麗斗、梅野雄吾、大西広樹、今年からブルペンに加入した2年目の木澤尚文、新外国人のコールと、全員が“盤石”。コールの防御率2.33がいちばん悪い数字だというから、とんでもない救援陣です。
「ビハインド投手陣」がチームを牽引する
これは攻撃陣にも良い影響を与えます。先発陣が3点くらい失っても、そのあとを無失点に抑える。ビハインドで登板する投手がきっちりスコアボードに0を入れて帰ってくる。ベンチには「絶対大丈夫!」という雰囲気が生まれ、それが7、8、9回の同点、逆転劇に繋がっているのは間違いありません。
その「ビハインド投手陣」、本来は1軍当落線上の選手が投げるポジションというイメージがあるかもしれません。打たれたら2軍から誰かが上がってきてそこを担う。いわばビハインドは「替えのきく選手」の持ち場だと思われています。僕も現役時代、そういった「替えのきく選手」のひとりでしたので、彼らの心境はよくわかります。