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“東北の代打の神様”楽天・銀次が川島慶三から受けた刺激

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/06/23
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なんとも言えない対比を生み出している川島選手との2ショット

 17年目34歳。気付けばチームの中でも圧倒的に後輩の方が多くなった中、あるベテラン選手が加わったことが大きな刺激になったようだ。

 ムードメーカーの川島慶三選手だ。キャンプでも銀次選手と川島選手が話し込むシーンを何度も見かけた。

「川島さんが『感覚は銀ちゃんと一緒だね』と。僕も川島さんの言ってることが分かったので、一緒だなという感覚はありました。とにかく怖いくらい元気な人です(笑)」

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 たしかに、ヒーローインタビューで楽天10万ポイント贈呈のボードを笑顔で抱きしめた選手は、川島選手以外に見た記憶がない。

「(川島選手の加入は)めちゃくちゃ大きいです。若い選手も負けないくらい声を出してくれたら、もっといい方向に向かうと思います」

 東北人は大人しく、九州人は陽気だ、なんてよく言われる。

 岩手出身の銀次選手と、長崎出身の川島選手。たしかに銀次選手もあまり口数は多くない方だ。それだけに、川島選手との2ショットがなんとも言えない対比を生み出していて面白かった。

 しかし「優勝したい」「もう一度レギュラーを獲りたい」という強い思いが二人の共通点としてあったはずだ。明るく陽気な川島選手を見て、銀次選手の心にさらに火が付いたに違いない。

 以前、銀次選手がこんな話をしてくれたことがある。

「やはり“東北への思い”は誰にも負けないものがあります。自分にはある夢があって。東北からプロ野球選手がもっとたくさん出たらいいなという思いが常にあるんです」

 東北で生まれ育ち、日本で、世界で、活躍する選手がたくさんいる。

 でもやっぱり、東北の球団で銀次選手が活躍することが、東北の球児にとって一番の刺激になるはずだ。昨日、最後のプロ野球開催となった岩手県営野球場での試合。石井監督の粋な計らいにより、スタメン出場4の0ながらお立ち台に上った。打席に立つたびに盛岡のファンの声援を受け続ける銀次選手を見て、あたらめてそう強く感じた。

  口数は決して多くない。でも内に熱い思いを秘め、プレーで魅せる。

 背中で語るタイプって、やっぱりカッコイイです! 銀次さん!

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