バイプレーヤーからの脱却へ
プロ3年目からは毎年、ホークス今宮の自主トレに参加している。
「自主トレ行かせてもらったときに、サポートしてくれる方々がアツくて。いろんな面で裏方さんがサポートしてくれる、そういった方があっての自主トレだと思いました。やはり今宮さんの人間性が素晴らしいからこれだけサポートしてもらえるんだろうなと。技術面はもちろん、人間性の面でも尊敬しています」
高校時代、ショート兼ピッチャー。強肩の右打者。たしかに共通点も多い。村林も今宮同様、チームに欠かせないショートストップになりつつある。レギュラーを確固たるものにするためには、これからが大事な時期だ。
「やることは変わらず、自分が出来る準備をして、一生懸命、一戦一戦必死に取り組んで、チームが勝てるように貢献していきたいです。その結果、レギュラーを掴むことに繋がればいいなと思います」
非常に真面目で、謙虚な印象を受けた。先輩たちから可愛がられるタイプだと周りの人は話す。そういえば、西川遥輝選手が先日一軍に戻ってきた時に話していた言葉が印象的だった。
「これはファームに行った人間にしかわからないことだと思いますが、見えないところで頑張っている選手がたくさんいます。その人たちを代表して一軍でプレーしています。そのことに気づかされた数か月でした。支えてくれた人たちのために頑張ろうという気持ちが強くなりました」
プロに入って数年経って開花する。そんな可能性を秘めている選手は、泉(楽天の二軍施設のある場所)にも大勢いるはずだ。見えないところで頑張っている若手選手にとっても、炎天下で一緒に汗を流してきた村林の活躍は励みになるかもしれない。
もうバイプレーヤーとは言わせない。
巻き返しの夏のキーマンは間違いなく、村林一輝だ。
◆ ◆ ◆
※「文春野球コラム ペナントレース2023」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/64052 でHITボタンを押してください。
この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。