高市政権の内閣広報官・佐伯耕三氏(51)が、ほぼ一人で運営するX(旧Twitter)のアカウント「内閣広報官(色々投稿試し中)」は、炎上騒動を引き起こしながらも注目を集めている。しかし、ジャーナリズムの封殺につながる危険性もあるという。ノンフィクション作家の高木徹氏が警鐘を鳴らした。
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言論活動の監視と表裏一体
海外のポストに機敏に反応した例では、反イスラム的な主張を繰り返す過激なアカウントが、高市首相が「人口が減る方が、異文化の低スキルの移民で国を埋め尽くすよりましです」と発言した、などとポストしたことに、「高市早苗首相はそのような発言をしていません」と、ポストの内容とは異なる実際の首相の発言をあげて反論したことがある。
この広報官アカウントのポストは英語で発信され、50万近いビュー数を獲得した。首相が反イスラム主義の排外主義者とレッテルを貼られれば、日本の外交には致命的な打撃だ。それを未然に防ぐ努力はこのアカウントの存在価値だろう。
ただ、「ラピッドレスポンス」に対する危惧もある。高市首相に関する国内の批判的な報道を取り上げ、関係官庁や高市首相に確かめたが事実と反していた、とするポストもしているが、政府内で自ら確認したと言われても、ジャーナリズムの側としてはそのまま受け入れるわけにはいかない。第三者の検証ができる状態にはなっていないからだ。
さらに、政府による「ラピッドレスポンス」は、情報空間の中での批判を監視する機能を持つことが多く、それはジャーナリズムの封殺につながる危険性と表裏一体だ。実際にイギリス政府が、2018年にラピッドレスポンスユニット(RRU)を創設したが、コロナ禍でワクチンに少しでも懐疑的なジャーナリストをリスト化し、その情報を米政府にまで伝えていたことが明るみに出た事件がある。政府がそのリストに入れていたラジオ番組の司会者(実際には自らワクチン接種を行い、番組でもワクチンの有効性も十分に伝えていた)から情報開示と訂正を求められ、謝罪に追い込まれた。RRUも廃止された。


