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『中学生から知りたいウクライナのこと』(小山哲・藤原辰史 ミシマ社 1600円+税)を読んだ。2人の歴史学者がおこなった講義・対談を記録した一冊。ウクライナの歴史について、民族的にも宗教的にも言語的にも、そして隣国との関係から言っても、ものすごく複雑な状況を抱えていることがわかった。
ウクライナという国が生まれる上で契機となるのは17世紀半ば、ウクライナ・コサック(「群れを離れた人たち」の意で、大半は農民)が、ヘトマン(コサックの頭領)国家を形成したときに求められる。だが、ウクライナという地域が一つの政治勢力のもとでまとまっていた時期はほとんどないのだという。ロシア、ポーランド、オスマン帝国といった大国の動向に翻弄され続けた。1667年、ウクライナはドニプロ川の東側とキーウをヘトマン国家、西側をポーランド王国領に分割された。南部の地域は、ポーランドとオスマン帝国の間で領有をめぐり争いが続いた。
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source : 週刊文春 2024年12月26日号