11月27日(水)
声の不調がかなりよくなってきた。毎晩飲んでた酒を、2週間あまりピタリと控えている。自分で自分を褒めてあげたい(Ⓒ有森裕子)。寄席を2軒早上がりして、横須賀にある防衛大学校での古典芸能鑑賞会。同行は前座の柳家小きちさん。小きちは元自衛官で三尉までいったそうだ。なんでまた落語家になったのか。防衛大は自衛隊の幹部候補生を育成する学校だ。威厳のある校舎が見えてくると、校門で迷彩柄の制服姿の小柄な女性が迎えてくれた。「学生さんですか?」「いえ、職員です」……す、すいません。開演前に学校長先生に挨拶。「魁!!男塾」の江田島平八塾長のようなおっかない人かと思ったら、物凄く柔和でちょっとおしゃべりな紳士でした。案内してくれた2年生の男子は「私、校長先生にあんなに近づいたの初めてです……とても緊張しました」と固まっていた。やっぱりそういうものだろう。講堂には2000人の学生さん。高座に上がると、一様に背筋を伸ばして万雷の拍手鳴り止まず。第一声、かなり迷ったが「……北朝鮮の最高人民会議みたいですね」と言うとコンマ何秒の間があって爆笑。洒落がわかる学生さんなんだ、と判断してあとは好き勝手喋らせていただいた。笑いがドーン、ドーンと迫ってくる。普段から規律の厳しい生活をされているから娯楽への反応が新鮮なのかもしれない。デジャブ。「刑務所慰問したときと同じくらいの笑いの量ですよ」と言ったらまた笑っていた。よく笑うなー。大丈夫? ちょっと心配になった。
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source : 週刊文春 2025年1月2日・9日号