劇的な逆転勝訴から1週間。2月6日の朝、目覚めた赤木雅子さん(53)は1人つぶやいたという。


「今日は文春買わなくちゃ」


 この日発売の本誌に判決を巡る記事が出ると聞いていた。誌面を開くと大見出しが躍っている。

 

《決断してよ、石破さん》


 判決翌日の雅子さんの言葉だ。国会で石破茂首相が上告断念を決断するよう迫られるのを見て口にした。


「そうだそうだ。1つくらい決断してよ」


 上告期限まであと1週間、国はどうするつもりなのか不安が募る。


「この見出し見て石破さん、上告やめてくれないかなあ」

 

連続報道「森友事件」

#9 【6年ぶり直撃動画】佐川宣寿元国税庁長官(66)を直撃!

#10 消えた佐川宣寿元国税庁長官を直撃!《最高裁からは新たな通知が…》

#11 森友再調査「お手紙は拝読させて頂きました」赤木雅子さんに石破首相から返信

#12 《森友裁判・逆転勝訴までの2522日》赤木雅子さんが語った「決断してよ、石破さん」

#13 今回はこちら

 雅子さんの夫、赤木俊夫さんは財務省近畿財務局の職員だった。8年前、森友学園への国有地巨額値引きを巡り、公文書の改ざんを命じられた。反対したが受け入れられず悩み苦しんだ末、7年前、命を絶った。

近畿財務局職員だった赤木俊夫さん(2001年撮影、提供・赤木雅子さん)

 なぜこんなことが起きたのか? 雅子さんは、改ざんを巡る俊夫さんの資料(通称“赤木ファイル”)など関連文書の開示を求め裁判を起こした。一審(23年9月)は敗れたが二審の大阪高裁は1月30日、不開示決定を取り消し、喜びの逆転勝訴となった。

 文書が開示されれば、秘密のベールに包まれていた森友事件の真相が明るみに出るかもしれない。国は最高裁に上告するのか? すべては最高責任者である石破首相次第。その決断に注目が集まっていた。

 石破首相は就任前、安倍政権下で起きた森友事件の再調査に前向きな姿勢を見せていた。その縁で4年前に雅子さんと面会し、以降、携帯電話で励ましのメッセージを送っていた。

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source : 週刊文春 2025年2月20日号