人間には「格」というものがある。面と向かったとき理屈を超えて圧倒されるのは、わたしの場合、「武士」だ。もっと限定すれば、三船敏郎演じる素浪人だ。こういう人に何を言っても軽蔑されそうな気がする。

 だが、わたしの父方をたどっても母方をたどっても先祖に武士はいない。どこかで武士と不倫して生まれた子だったというのが唯一の希望だ。だが先祖に頼るなど、しかも先祖の不倫に頼るなど、武士としてあるまじき態度だ。素浪人に一刀のもとに切り捨てられても不思議ではない。

初月300円でこの続きが読めます。
年額&3年プランは割引キャンペーン中!

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    1年更新(2年目からは22,000円)

    およそ833円/月

    1月6日(火)10:00までにお申し込みの方限定

    オススメ!期間限定

  • 3年プラン

    3年更新(4年目からは59,400円)

    およそ1,383円/月

    1月6日(火)10:00までにお申し込みの方限定

    オススメ!期間限定

有料会員になると…

スクープを毎日配信!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2025年2月27日号