告発者の特定は「違法の恐れ」。百条委員会はそう最終結論を下した。なぜ、元県民局長は自ら命を絶たねばならなかったのか。初めて誌面で公開する調査手順書や、当事者の証言などを基に彼を追い詰めた8日間を炙り出す。
■《連続報道》兵庫県知事・斎藤元彦
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年に一度、多くの人々が空の星に想いを馳せる夜、昨年7月7日の日曜日。34度まで上昇した気温がようやく下がってきた午後8時半ごろ、兵庫県姫路市の住宅街の一角には赤色灯のついたパトカーや救急車が集まっていた。
そこは、元西播磨県民局長、中村良介(仮名)の生家。築52年の、今は誰も住んでいない空き家だ。当日、彼は妻に、
「姫路の方に行く」
とだけ言い残して自宅を出たという。ところが、夜になっても一向に帰宅せず、電話にもLINEにも応答がない。たまらず妻は警察に相談し、警察がスマホの電波を調べると、辿り着いた先がその生家だった。
一人静かに命を絶った中村のスマホには、最愛の家族へのメッセージと共にこんな文言が遺されていた。
〈死をもって抗議する〉
そして、
〈百条委員会は最後までやり通してほしい〉
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source : 週刊文春 2025年3月13日号