通りすがりにわたしを見る人は瞬間的にどう判断しているのだろうか。しばらく観察して分かったが、わたしの内面を見きわめようとする人は皆無だ。わたしは若いころから内面を磨こうと努力してきたが、完全な失敗に終わってよかった。
外見でさえ、注意を払わない。ただの貧相な老いぼれとしてゴミに分類する人が大部分だ(わたし自身、他の老人を見るとゴミに分類している)。
そういう人に言っておくが、ドラマでは「貧相な老いぼれ」が実は大富豪だという設定が多い。そういう可能性もあることはくれぐれも忘れないでもらいたい。
わたしを見た3分後には、わたしに頭部があることさえ確信がもてない人もいるだろう。ましてわたしの顔面にメガネがあることまで覚えている人は少ない。
わたしのメガネを見ても「安物だ」と片づける人もいる。だが、中には観察の鋭い人もいる。
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source : 週刊文春 2025年3月27日号