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 秋はどこからやって来るのかと考えたとき、私は風だと思った。異常なほどの猛暑に汗をかきながらも(これが地球温暖化の影響か? 小学生のころから警鐘を鳴らされていたが、いよいよ肌で感じるほどに、やって来たのかもしれない)と思うと背筋の冷たくなる、暑いのに薄ら寒くもある夏を味わっていたときは、いずれ季節が秋に変わるとは信じられないくらいだった。

 日本の春と秋は昔に比べてずいぶん短くなったと言われることが増え、私もそう思うが、それでも毎年ちゃんと四季は巡ってきた。だから頭では、永遠に夏または冬な訳ではないと分かっているのだけど、暑さ寒さがこうも厳しいと、なんだかこの同じ土地が全然違う気温に変わるというのが信じられなくなり、逆に永遠の夏(または冬)の方を信じてしまう。

 今年も秋が来るとしても、いつもよりは遅れて10月半ばぐらいから涼しくなり始めるのではと予想していた。実際ニュースでも今年は残暑が厳しい、暦の上では秋でも、不意に真夏日がやって来る可能性があると予報されていた。

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source : 週刊文春 2025年11月27日号