【前回までのあらすじ】ニュース番組『フラッシュ11』のメインキャスター・鷲尾粧子(50)は、後輩のディレクター・加藤大地から、自身はゲイであり、番組の出演依頼のために会いに行った大御所芸人のウォッチャー目黒に強姦されたと告げられる。目黒を番組に呼ぶ企画は、加藤が親友の「週刊文春」記者・速水理央(34)の助言をヒントに立てたものだった。
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「週刊文春」編集部の一週間は、木曜に始まる。
毎週この日は雑誌の発売日でもあるが、前日にはすでに刷りあがったものを見ているし、その日のうちに関係先に配り歩いてさんざん酒の肴にもしているので、もはや何の感慨もない。木曜午前十一時にはすでに次号へのプラン会議が始まる。
総勢六十名ほどの編集部員のうち、いわゆるニュース記事を扱う特集班は全体が五班に分かれており、それぞれがデスクのもと社員記者二名、契約の特派記者五名ほどで編成されている。記者たちは各々、新入社員であっても毎週五本の企画を出さなくてはならず、プラン会議では若い記者から順番に皆の前で読みあげさせられる。
〈発生もの〉と言われる事件ネタをはじめ、政治、経済、皇室、芸能、スポーツ、健康……。
内容は何でもござれだが、プランを出した者の思い入れなどは関係がない。世間で話題になりそうかどうか、独自ネタであるかどうかなど、デスクの判断で、「次」「はい次」と多くは却下されてゆく。
ひととおりの報告が終われば、午後一時からはデスク会議だ。各班のデスクら五、六人の編集幹部と編集長が協議ののち、次号で取り上げる内容と取材チームが仮決定される。その間、記者らは昼食を摂り、それぞれの仕事をしながら待つのだった。
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source : 週刊文春 2025年12月4日号






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