二年三組 相原 早紀
この一年間、本当にあっという間でした。
いいことも、悪いこともたくさんありました。
いいことの一番は、定期テストで初めて学年一位の成績をとったことです。とても嬉しかったし、お父さんもお母さんもいっぱい誉めてくれて、誕生日でもないのにホールケーキを買ってきてお祝いしてくれたのには、恥ずかしいながらも笑ってしまいました。私は今まで上位五十人にも入ったことがなかったから、先生はどちらかというと驚いて、なにがあったのかと聞いてきましたね。
悪いことの一番は、近所の家が火事になって、一人暮らしをしていたおじさんが亡くなってしまったことです。報道では、原因はタバコの不始末のようだと言っていました。空いっぱいにもうもうと立ち上る黒い煙はまるで悪魔のようで、これをきっかけに喫煙者のお父さんに禁煙するようお願いすると、「早紀もテスト勉強がんばったんだから、お父さんも見習わないとな」とその場でタバコの箱ごと捨ててくれました。あれ、なんだか悪いことだけじゃなかったみたい。
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source : 週刊文春 2026年3月19日号






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