連載第1回を読む

 新年度が始まりましたね。僕はあまり実感がないけど、社会的には上司や部下、先輩後輩など人間関係が変化する時期なのだろう。

 先輩後輩といえば、僕の事務所では、先輩のバックについてステージでのパフォーマンスを学ぶのが伝統だった。もちろん僕もデビュー前にいろいろなグループのバックで勉強させてもらってきた。

 ジュニア時代にV6のライブでバックにつかせてもらった時のこと。森田剛くんが衣装を早替えする時のお手伝い役に任命された。舞台が暗転した一瞬の間に上着を脱がせて別のジャケットを着せるのが役目だ。先輩の補佐を任せてもらえるのは「この子なら大丈夫」と信頼されている証。ジュニアにとっては名誉なことで、僕もこの大役を無事に務め上げようと必死だった。

 ずっと成功してきたのに、ある公演でやらかしてしまった。袖に腕を入れるのに手間取って、片腕を入れられなかったのだ。でもステージが明るくなるので自分はすぐ舞台袖にはけなければならない。「ヤバい、無理だ!」と、そのまま袖に逃げた。で、剛くんはどうしたかというと、片腕がジャケットの袖に入っていない状態で何事もなかったようにパフォーマンスを続けた。「うわ〜やっちまった! 絶対怒られる」と思いながら、後で謝りに行ったら「全然気にしてないから。次もよろしく」と言われ、涙が出るほどホッとした。

 涙が出そうなほど感激した出来事もある。SMAPのライブで、木村くんが僕らを同じフロートに乗せて「この子たち、ここから活躍していくと思うからよろしくね!」と満員の客席に向けて紹介してくれたのだ。まさか芸能界の第一線で活躍している大スターの先輩がこんなことをしてくれるなんて。夢を見ているのかと思ったほどだった。

 もちろん怒られたこともある。ジュニア時代に堂本光一くん主演の舞台に出た時のこと。終演後、僕らは光一くんから大目玉を食らった。原因は、芝居の内容(うん)(ぬん)というよりも態度。公演前の準備の時や舞台裏でふざけたりしていたので、「お客様が見ていないところでも真剣にやるのがプロ。あまりにもプロ意識に欠けている」と逆鱗に触れたのだ。で、翌日からは態度をあらためた……と思いきや、その後も同じ舞台で何度か怒られている。まあ、言い訳するようなんだけど、僕はそんなに態度が悪かったわけではないはずだ。でも、ふざけている人間が少しでもいるとまとめて怒られるのはジュニアあるあるか。

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source : 週刊文春 2026年4月23日号