(まさいまや/1976年、メキシコ生まれ。上智大学文学部卒。2000年、フジテレビに入社後、アナウンサーとして「スーパーニュース」「笑っていいとも!」など報道、バラエティを担当。07年に退社後は、フリーランスになり、ラジオパーソナリティやコメンテーターとしても活躍。)

私が生まれたメキシコでは「ファミリア(家族)」の絆を非常に大事にする文化があります。親子や祖父母だけでなく、おじ・おばやいとこといった広い範囲までがファミリアとして日常的に交流している。家は、その大きな家族が集う賑やかで楽しい場所なんです。
元フジテレビアナウンサーの政井マヤさんのルーツはメキシコにある。1976年、メキシコ人の父と日本人の母の間に生まれ、2歳上の兄とともにメキシコシティに住んでいたが、その家の記憶はない。2歳の時に両親が交通事故で亡くなり、日本に渡ったからだ。
母は東京で育ったのですが、メキシコの大学院に留学中に医学生だった父と知り合い結婚。父は貧しい山村での医療、母は政治学の博士論文に奮闘。父が無償で診療するので、経済的に苦労しながらも研究の傍ら子供2人を産んだ母の逞しさには驚くばかりです。そんな中での事故。直後に母の姉がメキシコに来て残された兄と私に寄り添ってくれました。生前、母は「博士号が取れたら日本の大学に職を見つけて一家で帰国したい」と話していたそうで、伯母は数カ月にわたる煩雑な手続きを経て、やっとの思いで私たちを日本に連れ帰ったそうです。
その後、兄と私は神戸に住むもう一人の伯母夫婦に引き取られることに。その頃42歳だった伯母は当時としては珍しいキャリアウーマンで、大企業に勤め、子供を持つより仕事を優先して生きてきました。伯父もすでに52歳。日本語もままならない幼い兄妹を育てるのは大変な決断だったと思います。そのために伯母は仕事をやめて主婦になる決心もしてくれました。
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source : 週刊文春 2026年10月29日号
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