脚本は野木亜紀子で、主演は石原さとみ。これは期待せずにいられない。不自然死を究明する法医学ミステリードラマの超ド級傑作『アンナチュラル』の二人が八年ぶりにタッグを組んだ『ポリティカルパン』が好スタートを切った。
石原が演じる如月弥生(きさらぎやよい)は子どものころから大泥棒、女ルパンになるのが夢だった。しかし政治が腐り、格差が拡大し、国力が衰退するこの国には、大泥棒が心躍るお宝がどこにもない。
そんなとき、政権与党には官房機密費という、領収書も使途の公開も義務づけられない年間十億円以上の金が官房長官室の金庫にあると弥生は知る。これだ。大泥棒の血が沸き、彼女は早速、行動を起こす。
怪しい情報屋パウロ(渡部篤郎)を通じ、小早川元総理の娘、雅(みやび)(河合優実)と接触し、SPの厳重監視下で、高級クラブで遊ぶ彼女を外の世界に連れだす。息の詰まる政治家一族の娘と、機密費を狙う大泥棒が出会って意気投合。酔って夏の開放感に浸る雅は「選挙に出るぞ!」とインスタに叫ぶ。元総理の娘を国政に担ぎだして機密費に一歩近づく。女ルパンも情報屋も知恵が回るんだ。

この国はニッポニアで、与党は国自党、千葉県は千羽って表記され、日本と似てるけど架空の国ですよってなってます、一応。
大泥棒を夢みる弥生と、政治家一族のハミ出し娘、雅が、少しずつ距離を縮めていくプロセスが微笑ましい。『アンナチュラル』でも、石原さとみと市川実日子のシスターフッド的感覚、良かったな。
ニッポニアでも政界疑惑で衆院解散。千羽十七区では与党公認の雅の兄、颯(寛一郎)も出馬するが、あえて雅は弥生を選挙参謀にして、金もない無党派で選挙活動するうち、さわやかイメージで兄を急追。友人と話す英語力に目をつけた弥生は、各所で英語を駆使させ好感度はアップ。
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source : 週刊文春 2026年10月29日号
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