M-1、シンデレラストーリー

「笑い神 M-1、その純情と狂気」第13回——改革元年といわれた05年大会を初登場コンビが駆け上がっていく。

中村 計
エンタメ 芸能

「怖いなあ」

 タイムマシーン3号の関太(せきふとし)は、取材が始まるなりそう言った。芸名通り、二人のうちの太っている方だ。

 昨年末のことである。取材場所は彼らが所属する太田プロダクションの事務所内だった。一瞬、言葉の意味が飲み込めなかった。

「この4人は、やっぱり怖いイメージがありますよ」

 関の人差し指の先を見て、合点がいった。取材が始まる前、そこに見本として、当連載ページを開いた本誌の最新号を置いていたのだ。第8回の「ヤバいやつら」というタイトルの記事の扉には、若き日の笑い飯と千鳥の顔写真が掲載されていた。

 相方の山本浩司が口を開いた。

「M-1と言えば、僕らの中では、このときのイメージ。結成10年以内(2015年から結成15年以内に改定)の大会だったので血気盛んなやつらが多かったし、時代的にも尖ってるやつらばっか。この2組だけじゃなかったもんな、あの頃は」

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source : 週刊文春 2022年2月17日号

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