昨年秋の衆院選は、情勢調査に関する限り、朝日の一人勝ちだった。自民党の不振と立憲民主党の躍進を予想した他紙の調査は悉く外れた。
ベテラン政治記者によると当時、朝日の勝利に対する他紙の空気というか見方は「ネット調査を本格的に加味した英断の結果だ」から「ただの結果オーライだ」まで、実に様々だったそうな。
教訓を生かしたせいかどうかは知らないが、今回の参院選で朝日と他紙の調査は足並みが揃う。ただ、「みんなで渡れば怖くない」式のおっかなびっくりぶりが滲む。
典型は「与党堅調 改選過半数の見方 参院選、報道各社の情勢調査」と題した日経の5日朝刊記事だ。自社を含む全国紙と共同通信の6社の調査を比較するが、「同様の分析だった」「ほぼ同じ傾向だった」などと、差がないことを確認するばかりだ。
記事は情勢調査が投票行動に影響を及ぼす「アナウンスメント効果」を指摘し、昨年秋の衆院選を取り上げる。さぞかしキレのある自己分析を展開するかと思いきや、拍子抜けもいいところだ。
「ほとんどの報道各社」の情勢調査により「事前に与党が敗北する可能性が広まった影響で『不安定な政治状況になることを好まない人が、与党に投票した』との指摘がある」と書いてある。
要は、朝日が間違いで日経を含むほとんどが正しかったと言いたいのか。それならそれで、選挙結果を変えてしまった責任があろうが、そこは書こうとしない。
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source : 週刊文春 2022年7月21日号