大学院に進学しても給料が出るわけではないので、大学院生は生活費を自分で稼がなければならない。今の大学なら授業補助のアルバイトなどがあったりするのだが、昔はそんな制度は無かった。そのため、若き文系院生は、あの頃、みんな研究の合間に予備校や中学・高校の非常勤講師などをして喰いつないでいた。
僕の場合も、大学院1年目の秋に、急に地方大学への就職が決まった先輩から後任を押し付けられて、そこから長い高校の非常勤講師生活が始まることになった。さいわい大学時代に教員免許をとっていたので、翌々日には採用面接、週明けには初回授業、と驚くほどトントン拍子に話は進んだ。
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source : 週刊文春 2022年9月15日号