先日会った編集者の方から聞いた話である。その方は、これまで料理関連の本を多く編集されてきた方なのだそうだが、先頃、歴史上の料理レシピを再現、解説する本を担当されたという。さいわい読者の評判も上々で、その本の内容を紹介した料理サイトの記事にも好意的なコメントが多くついた。やがて話題が話題を呼んで、その記事がヤフーニュースに転載されることになった。ところが、そこで事件は起こった。
「そんなことは誰でも知ってる」
「本書が典拠としている『×××』という書物は、偽書であって史料的価値はない!」
「現在では、その説はもう否定されているはずだ」
「こんな低レベルな本を出す出版社の良識を疑う」
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source : 週刊文春 2022年11月03日号