「子どもから大人まで野球の裾野をもっと広げないと。そのためにも、東京五輪では長嶋(茂雄巨人軍終身名誉監督)さんに聖火台に立ってもらいたいんや」

 楽天球団副会長・星野仙一氏(享年70)は生前、そう語っていたという。だが、ミスターの手で点火された青く燃える聖火を見ることは叶わなかった――。

◆ ◆ ◆

 星野氏が息を引き取ったのは1月4日未明のこと。

「年末年始はハワイが恒例の星野氏ですが、今年は三重県内の娘夫婦の自宅で過ごしました。2日夜にトイレで転倒したものの、3日も普通に食事を摂るなどしていた。尿瓶を用意した家族には『要らん』と答えていたそうです。ところが翌朝に容態が急変し、娘たちに抱かれて最期を迎えました。昼寝でもしているような安らかな表情だったそうです」(楽天関係者)

「すぐ疲れちゃうんだよな」

 星野氏と親交が深く、亡くなる前日、電話で話をしたという横浜商大野球部の佐々木正雄監督が振り返る。

「最近よく『すぐ疲れちゃうんだよな、背中もときたま痛いし、食べ物も気を遣っている』とこぼしていましたが、声の調子はいつもと同じでした。星野さんとは今月30日、(菅義偉官房長官らと太いパイプを持つ藤木企業の)藤木幸夫会長の主催で、五輪関係の方々と新年会でご一緒する予定だった。そこで『ミスターを聖火台に』という話が動き出すことになっていたんです。日程の念押しで星野さんに『30日はよろしくお願いしますね』と伝えると、『分かっているよ』というお返事で。まさか翌日亡くなっていたとは……」

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source : 週刊文春 2018年1月18日号