2021年の8月、僕はフランスで行われるル・マン24時間耐久レースに出場しました。ル・マンはとても神秘的なレースですよね。普段は公道として使われている道が封鎖され、そこをGTマシンによって時速320キロで走る。

　日本で言えば胸を張って国道246号を走り、優勝すれば大称賛されるようなものでしょ？　だから、僕らにとっては夢のような世界です。

　期間中の町はお祭り騒ぎで、爆音が響き渡る中で観客たちがバーベキューをしたり、お酒を飲んだりしてレースを楽しむ。

　周囲の町にはこのレースを見たいが故に移り住んでいる人もいます。日本にはないヨーロッパの車文化を、あれほど感じられるレースはなかなかないと思います。

　プロレーサーの青木拓磨さんは1974年、群馬県子持村（現渋川市）に生まれた。2つ上の兄・宣篤さん、2つ下の弟・治親さんとともに、幼い頃にポケバイのレースを始める。後に全員がロードレース世界選手権に参戦した彼らは「青木三兄弟」と呼ばれた。

　実家はインテリア工務店をしていました。父親が買ってくれたポケバイに初めて乗ったのは、小学校3年生のときです。

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