僕は、日本のスポーツ産業を盛り上げるための大きな策の一つとして、規制を緩和すべきではないかと思っている分野がある。

 それは「スポーツベッティング」を国の施策とすることだ。

 今では十分市民権を得たサッカーくじの「toto」のように、しっかりと振興していけば、今後の地方の経済や社会に大きく貢献する流れを作れる可能性があると思う。

サッカーくじの「toto」は2001年にスタート

 プロスポーツは、多くの人々を熱狂させるエンターテインメントの強烈なコンテンツである。今年のWBCの盛り上がりがそうであったように、一流の選手たちがフィールドでしのぎを削り、様々なドラマが生まれるプロセスには唯一無二の魅力がある。

 ただ、その力を産業としてとらえていく明確な視点が日本には欠けている。

 例えば、日本のスポーツ界は「外」に目を向けて、積極的に発信する戦略を持たなければ衰退してしまうという危機感を、僕は持っている。だからこそ、繰り返し言ってきたように、外国人選手枠をもっと緩和することで、海外市場へのコンテンツの発信力を上げる施策を強化する必要がある。日本では今後、人口が急速に減少していくのだから、縮小していくマーケットを広げるアイデアを考えていかなければ、スポーツが産業として成長することは難しい。

 そのような中、世界中でスポーツ観戦の人気をドライブさせているのが、スポーツベッティング解禁の流れだ。

 世界で最も知られているスポーツベッティングは、1960年代からイギリスで政府公認となった「ブックメーカー」だろう。イギリスではサッカーのプレミアリーグをはじめ、様々なスポーツの試合が賭けの対象になっており、それを政府が公認してきた歴史を持っている。

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source : 週刊文春 2023年5月18日号