ここ最近、岸田文雄首相と面会が続いた。6月中旬に、会合で席が向かい合わせになり、30分ほどざっくばらんに話す機会があった。7月上旬には、新経済連盟の代表理事として、日本の未来に向けた戦略を提言させて頂いた。
岸田政権について、最近少し気になることがある。息子の翔太郎氏を巡る問題だ。首相公邸で忘年会を開いたり、海外で公用車を使ったりしていたことなどに対する世の中の批判が大きくなり、首相秘書官を辞任したのは記憶に新しいところだ。けれど、果たしてそこまで大騒ぎすることだったのか。首相の親族であれば、誘拐など身の危険を考えれば、公用車を使ったほうが問題が起きにくいのではないかと思う。ホワイトハウスでも、大統領の家族はパーティーくらいはするはずだ。そうした小さなことに目くじらを立てすぎると、日本社会の閉塞感はますます加速していくのではないか。
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source : 週刊文春 2023年7月27日号