お酒のお供に枝豆、そら豆、冷やっこと食卓の名脇役として活躍する豆。だが本来は、食事の主役というべき栄養素の塊だ。そこで小誌は、あらゆる豆について徹底研究を行った。この夏、あなたの豆の摂り方が大きく変わる!

「高齢者には、もっと豆類を食べて欲しいです」

 そう嘆くのは、名古屋学芸大学健康・栄養研究所所長で、老年病専門医の下方(しもかた)浩史教授だ。

下方教授

 大豆に小豆、そら豆、豆腐、納豆等々……。古くから日本で親しまれる豆や豆製品は、“長寿の源”として食卓を彩ってきた。ところが、それも今や昔の話になりつつあるという。

「最近のシニアは『皮が硬い』、『調理が面倒』などの理由で、豆を敬遠する人が増えているのです。その結果、豆の摂取量は伸び悩んでいます」(同前)

 厚労省によれば、豆類の1日の目標摂取量は100g。しかし、2004年から19年までの16年間の平均を見ると、60〜70代は1日あたり70gほどの摂取量。80代になると60g台に落ちこむ。どの高齢世代も1日の目標値に30〜40g程度足りないのが現状なのだ。

 だが、豆の健康効果は抜群である。

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source : 週刊文春 2023年8月10日号