“ロマンポルノの女王”からリアル“団地妻”に。3人の子育てにも奮闘しました。|白川和子

新・家の履歴書 第848回

伊藤 愛子
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(しらかわかずこ 女優。1947(昭和22)年長崎県生まれ。67年女優デビュー。71年『団地妻 昼下りの情事』に主演し人気に。2015年よりワハハ本舗所属。18年毎日映画コンクール田中絹代賞受賞。最新出演映画は『春画先生』(10月13日公開)。10月の舞台公演「股旅総進撃」にも出演予定。)

 

 私の父は、とにかく真面目で厳しい人でね。テレビで見るのはNHKだけ。音楽もクラシックしか聞かない。教育熱心で「深みのある人間になれ」というのが口癖でした。成績にも厳しくてテストは100点じゃないとダメ。98点でも許してくれない。私は中学校にあがるぐらいまでは、そんな父の期待に応える優等生でした。勉強も好きでよくできたし、かけっこも速かった。将来の夢はジャーナリストになることでした。

 それが女優になって、ロマンポルノに出演するようになるなんてね。演技をするのが好きで進んだ道で後悔はありませんが、父の生き方に大きく反して、家族には迷惑をかけてしまいました。

 現在は味のあるバイプレイヤーとして、映画やドラマに多数出演している白川和子さん。20代には“ロマンポルノの女王”として活躍。後年、『笑っていいとも!』出演時にタモリさんにも「お世話になりました」と声をかけられたほど、当時の青年から熱く支持された存在だ。
 白川さんは、1947(昭和22)年生まれ。2歳下の妹、4歳下の弟がいる長女として育った。

 私が生まれた長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)郡波佐見町は田んぼや畑に囲まれて、当時は街灯もなく、夜は提灯を持って歩いてるような田舎でした。でも、うちは台所とは別にダイニングルームがあったり、田舎では珍しい洋館風でモダンな家。まわりは“父ちゃん、母ちゃん”って呼ぶのに、“パパ、ママ”って呼んでました。

 母は佐賀の酒屋のお嬢様だったらしくて。背が高くて美人でオシャレでね。性格は天真爛漫。父とは正反対で、娯楽番組が好きでした。なんでも結婚する前は宝塚歌劇団に入りたかったのを、家族に反対されて諦めたそうです。

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source : 週刊文春 2023年9月28日号

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