「年内分がギリギリで、年明けからその先にかけては製造できるか不透明です」
こう危機感を露わにするのは、萬古(ばんこ)陶磁器工業協同組合の熊本哲弥理事長だ。実は今、土鍋の国内シェア8割を占める三重県の地場産業「萬古焼」が窮地に追い込まれている。
三重県四日市市で製造される焼き物・萬古焼は、土鍋や土瓶のような日用雑貨に多く用いられている。その最大の特徴は直火にかけても割れない耐熱性だが、それを可能にしているのが原材料のひとつであるペタライトという鉱石だ。
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source : 週刊文春 2023年10月12日号